母島の人々の暮らしをいつも見守ってくれている乳房山。その山頂付近の雲霧林とよばれる一帯に、ハハジマノボタンは自生しています。薄桃色の五弁の花はとても可憐で、その姿を見ると汗をぬぐいながら登ってきたことも忘れ、一気に疲れが癒されます。返還当時はジャングル化した乳房山の山道を切り拓き、生育環境を保全したそうです。母島の自然を守ろうとした諸先輩方の思いを引き継いでいきたいです。
(梅野ひろみ/自然ガイド)